サンタクロースがやってきた
「本物だぁー」
一人の児童が叫ぶと
地鳴りのような振動が建物に響いた。
目次
サンタクロースがやってきた
まちづくり協議会
3年前、
まちづくり協議会に参加していた頃の話。
集会の際に、
押しの強い私立幼稚園の園長が
話しかけてきた。
「あなたに、お願いがあります。」
幼稚園のクリスマス会に参加して
サンタクロースを演じてほしいという依頼だった。
唐突な話なのでお断りした。
しかし、押しの強い園長はあきらめない。
①毎年演じている人が、入院した。
②前準備はすべて園でやるから、あなたに迷惑はかけない。
③1時間で終わるから「今回だけお願い」
最後は押し切られた。
楽しいクリスマス会
当日は、
園児に出会わないよう裏口から登園。
事務所でサンタさんに変身。
園長からの注意事項は下記のとおり。
①園児から話しかけられても答えない
②基本的に言葉を発しないこと
③プレゼントは職員が配布する
④教室は10クラス、園児は200名
⑤1クラス5分くらいで回ること
あとは、職員の指示に従ってくださいと言われた。
「皆さん、サンタさんが来てくれました」
園長の声に、大喜びの園児たち。
しかし、その中に必ず一人はいます。
いないんだぜ 。
お父さんが化けてるんだ
「外にトナカイとソリがないのは、おかしいだろう?」
いわゆるアジテーター。
周りの園児たちも
「英語しゃべってみて」とか
「煙突はないのにどこから来た」とか
「誰のお父さん?」とか言い始めた。
しばらくして、
あのボスキャラの年長さんが
私の衣装の懐に潜り込み
下から睨みつけてきた。ギラギラと。
わたしは「ホーホーホー」と呟いた。
次の瞬間、
ボスキャラの年長さんが叫ぶと、
建物が揺れるくらい、全ての園児が「ウォーーー」と共鳴した。
一瞬で、幼稚園がウェルカムモードに変わった。
全ての園児が私をサンタクロースだと確信した瞬間だった。
楽しいクリスマス会でした。
沈 黙
なぜ、あなたは黙っている
こんな馬鹿なことはない。
これが殉教というのか。
なぜ、あなたは黙っている。
あなたは今、あの片目の百姓が
―― あなたのために ――
死んだということを知っておられる筈だ。
なのに何故、こんな静けさを続ける。
この真昼の静けさ。
蝿の音、
愚劣でむごたらしいことと
まるで無関係のように、
あなたはそっぽを向く。
それが・・・・・・耐えられない。
(出典)遠藤周作 「沈黙」 新潮社
初めて宗教に触れたのは、20歳の頃。
遠藤周作の『沈黙』を読んだ時。
鮮烈だった。胸が締め付けられた。
夢を見た。恐ろしい夢だった。
人生を生きる意味
遠藤周作は、のちに語っている。
長崎で見た、
踏み絵の木枠についた指の跡のことを
東京へ帰ってからも
私は忘れられませんでした。
夕べに散歩する時、
夜に酒を飲む時、
黒い指跡が目に浮かびました。
そして三つのことを考え続けた。
①踏み絵を踏んだ時の気持ち。
②踏んだのはどんな人だったろうか。
③そして、私がその立場にたたされたら踏むかどうか。
強い信念を貫き通すより、
踏む可能性の方がはるかに高いと思ったな。
拷問は苦しいだろうし、
やはり家族まで殺されるのは
可哀そうです。
私は弱虫なのです。
そして『沈黙』は、
『迫害があっても信念を決して捨てない』
という強虫の視点ではなくて、
私のような弱虫の視点で
書こうと決めました。
弱虫が強虫と同じように、
人生を生きる意味があるのなら、
それはどういうことか――。
これが『沈黙』の主題の一つでした。
(出典)遠藤周作 「沈黙」 新潮社
この作品は、いわゆる背理法である。
ザックリ言うと
①「神は存在しない」と仮定する。
②「その結果、矛盾が生じる」
③だから「神は存在する」
という流れで、命題を証明する手法。
『沈黙』に出会った後、
私は、あらゆる聖典を読みまくった。
宗教に対する知的好奇心を誘う入門書としては卓越している。
難しそうな感じ?
今回改めて、Amazon Prime Videoで「沈黙」を観た。
< 感 想 >
世の中は、いつの世も、
普通に生活が営なまれ、時は流れる。
その陰で、誰かが犠牲になっていても。
世の中は、
誰が犠牲になっているかを知っている。
しかし、誰も助けようとはしない。
見て見ぬふりをする。
自分自身の生活を守るためなら、
『沈黙は金』だから。
日本の年中行事
「沈黙」の中で、宣教師は言った。
「私の内なる神と日本人の神は違う」
「日本人は、無宗教だ」と外国人は言う。
されど日本人は、信心深い民族である。
正月:神社へ初詣・成人の儀
2月:節分・伏見稲荷大社 初午大祭
3月:ひな祭り・春のお彼岸
4月:お花見・清明祭
5月:端午の節句・葵祭
6月:沖縄 慰霊の日
7月:七夕・祇園祭・天神祭
8月:お盆・広島 長崎 原爆の日
9月:十五夜・秋のお彼岸
10月:神無月・神嘗祭・ハロウィン
11月:七五三・新嘗祭
12月:クリスマス・除夜の鐘
葬式には、寺から坊主がやってくる。
日本人の信仰は、唯一絶対の神ではなく、
日常生活の中に、神々が存在している。
さすが、やおよろずの神の国。
楽しみです!
今日の復習問題
最後に今日の復習問題をします。
遠藤周作の沈黙
今日のテーマの復習だよ
クイズ 沈黙の秘密?
最後まで読んで頂いて
ありがとうございます!
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25年間、小売業の中間管理職として、店舗管理・販売企画・広告を担当。
アパート経営20年、宅建士・賃貸不動産経営管理士。
ジュニア野菜ソムリエ。社会教育主事。